天竺めざして、引きこもる。

いまより知的で気楽に生きるために役立つ本を紹介します。

政治から盗む組織の意思決定の極意 -日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ(飯尾潤)-

厳めしいタイトルの本であるが、要は「日本の政治では物事を、誰がどうやって決定しているのか。」について説明した本である。つまり、政治における意思決定プロセスが明らかされる。 政治は意思決定のプロの世界である。そのため合意を形成するために、人間…

【権力とは】武士ってなんで源平なの?もやしっぽくない? -武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世(桃崎有一郎)-

武士の成立起源について、 「地方の有力者たちや荒くれ者たちが朝廷の支配に不満をいだき、力ずくで政権を奪い取った。」 そんなイメージを持っているだろうか。 しかし、武家の代表格である平氏と源氏はともに天皇の子孫の家系である。 皇族からは離脱して…

即位って割とギスってる。。。-天皇の日本史(井沢元彦)-

藤原氏、源氏、徳川など日本の歴史では様々な支配者たちが現れてきた。 ところが実質的に日本を支配しながらもなぜか天皇にとって代わることはせず、形式的な日本のトップはずっと天皇であった。これはなぜだろうか? よく聞かれるのは、「天皇を滅ぼすより…

リアルに興味がもてない。ならば気軽に付き合えばよい。 -弱いつながり 検索ワードを探す旅(東浩紀)-

本書はネットを有効に活用するための、リアルと関わる方法を提案する。 ネットの批判や、リアル回帰への言説はよく見られるが、 ネットにコアにかかわっている人間ほどリアルとの距離が遠くなりがちで、リアルとの関わりを提示されると心理的に圧迫感を感じ…

中国の何がヤバいのか? -独裁の中国現代史 毛沢東から習近平(楊海英)-

本書は、中国共産党の独裁体制がどのように形成されてきたのかという歴史を描く。著者は内モンゴル自治区出身で現在は静岡大学の教授をされている楊海英氏である。 本書を読む前から、中国についてはちょっと独裁的でなんとなくヤバそうな国という印象をもっ…

これでダメなら諦めよう -史上最強の哲学入門(飲茶)-

本書の見どころ ・哲学初学者にとって圧倒的に分かりやすく、コミカルな記述で読みやすい。 ・特定の哲学者に偏らず、広く知れる。 ・内容がペラくない。思想が生まれた背景や、前時代の思想とのつながりがきちんと説明されていて物語性がある。

【人間関係】ひろゆきから学ぶ5つのコツ -『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(ひろゆき)-

本書でひろゆき氏は、バカな人と距離を置くために、ひろゆきが実践している方法を紹介している。 ひろゆき氏いわく、現代はバカな人と賢く距離を置くことが幸せになるための鍵であるという。 「バカな人と距離を置く」というと過激だが、言い換えると「苦手…

【DXレポートを読んで③】レガシーシステムの仕様を整理したいけどどうしたらいいの?

IT

「プラットフォーム変革手引書(第1版)」(情報処理推進機構(IPA))に記述されている、レガシーシステムの仕様復元方法を紹介する。 ◆この記事で得られること◆ レガシーシステムの仕様で、”何をしていいかわからない”が解消される。

【DXレポートを読んで②】レガシーシステムの全体像を明らかにするにはどうしたらいいの?

IT

前回の記事で、DXレポートが老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存のITシステムがDX推進を阻んでいることを指摘していることついて触れた。 今回の記事では、 ブラックボックス化した既存システムの全体像を把握する方法について考えるため、情報処理…

【DXレポートを読んで①】レガシーシステム問題にどう取り組んだらいいの?

IT

DXレポートとは、2018年9月に経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の題で公表した報告書である。 報告の意図として、日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現していく上でのITシステムに関する…

謎設定『まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」―――剣は心なり』

まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」―――剣は心なり(Business Comic Series) Business ComicSeries 作者:岬龍一郎 あさ出版 Amazon 気分転換に気換に気楽に読めるものはないかと、Amazon prime readingをあさっていたら目についた本。 「まんがでわかる系っ…

【無料】DX(デジタルトランスフォーメーション)を理解するためのネットコンテンツまとめ

IT

いきなり「DXをやれ!」と言われたときに備える! 数年前からDX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく聞かれるようになった。 なんとなく、IT関係の話ということは分かるけど、いまいち具体的なイメージが湧かない言…

とにかく僕らは妄信する。-サピエンス全史(下) (ユヴァル・ノア・ハラリ)-

サピエンス全史は私たちが日頃流してしまっている、素朴で根本的な問題に取り組んだメッチャメチャ面白い本。 ★サピエンス全史が扱う刺激的なテーマの例★ 「なぜ人類は繁栄したの?」 「文明ってどうやって発展したの?」 「そもそも繁栄は、幸福なの?不幸…

iPhone版KindleアプリでPrime Reading対象本をカテゴリを絞って表示させる方法

IT

Amazonプライム会員ならだれでも無料で本が読めるPrime Reading。 ただ、対象本を探す際に、カテゴリを絞る方法がわかりずく、なかなかお目当ての本に巡り合えない方も多いのではないか。 そこで、この記事では、iPhone版のKindleアプリでカテゴリを絞り込ん…

小麦の野郎に諮られたっ!-サピエンス全史(上) (ユヴァル・ノア・ハラリ)-

サピエンス全史は私たちが日頃流してしまっている、素朴で根本的な問題に取り組んだメッチャメチャ面白い本。 ★サピエンス全史が扱う刺激的なテーマの例★ 「なぜ人類は繁栄したの?」 「文明ってどうやって発展したの?」 「そもそも繁栄は、幸福なの?不幸…

【ネタバレ感想】エヴァっぽい何かを劇場で観てきた。-シン・エヴァンゲリオン劇場版-

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を観た。閉幕直後の印象は、「ん、駄作......?」という微妙なものだった。つまらないわけではないが、前作ほどの衝撃を受けなかった。Qを観た際には、ダイソンで魂を根こそぎ吸引されたように”からっぽ”になった。それに…

【読書効果UP】kindleアプリ(PC版&iPhone版)でハイライト箇所を一覧出力する方法

IT

kindle本では、読書中に重要だと感じた箇所にハイライトをつけると、あとから簡単に検索ができて非常に便利だ。 ただ、読書後に本の内容の復習やまとめのために、ハイライト箇所を一覧で表示する機能がわかりずらい 。「ノートブックの表示」を開くと、ちょ…

人類は進歩しているのか?ー「サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福」

(2021年5月2日 追記) ★要約記事を作りました。 ①上巻分 sunuse.hatenablog.jp ②下巻分 sunuse.hatenablog.jp サピエンス全史は「なぜ人類は繁栄したのか?」と言う壮大なテーマを解き明かす。 ボリューミーであるが、専門用語の羅列ではなく、人類の歩みが…

【書評】仕事は楽しいかね?(デイル・ドーテン)

いいえ、ケフィアです。

”なんでそうなるの?”への答えが見つかる? | お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」| 大村 大次郎

歴史の本を読んでいると、なんでそうなるの??と、今一つ腑に落ちないことが多い。 経済の視点で歴史を眺めると、一定の答えが得られるのではないかと思い、「 お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」(大村 大次郎)」を読んでみ…

ビジネス書をいくら読んでも成果が上がらず絶望しそうな人へ

「仕事で成果をあげたい、そのためにいろいろな本や教材をためしたが、どうしてもうまくかない。。。」という悩みに応える記事である。 巷には、問題解決思考や論理的思考に関する本や○○仕事術などの本が無数にある。私自身色々読みあさった。読んだときには…

【ネタバレなしレビュー】かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 第21巻

「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」はヤングジャンプで連載中の学園ラブコメ漫画。 ギャグのキレ、シリアスな場面との緩急が最高で、笑いと感動で毎回心がぐちょぐちょになる作品。 今回は、2月19日に発売された新刊21巻の見どころを紹介する…

【7つの習慣体験記part 4】「またダメだった」へさようなら!今すぐ始める時間管理 --最優先事項を優先する--

1週間でどれだけ、やりたいこと・やるべきことをする時間がとれただろうか? 平日は仕事で忙しいから、と「土日に頑張ろう」と自分に言い聞かせ、いざ休みを迎えると疲れ果てた心と体は、ついつい休息と癒しを求め、あっという間に日曜の夜。 そして、「また…

変化に対応できる組織!その6つの原則とは ? −−『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』を読んで考えたこと②−−

コロナ禍で「変化」への対応力の重要性を強く意識するようになった。 昔から「変化のスピードが速くなっている中で、云々~~」と言われつづけてきたが、ここまで実感をもって生活の急激な変化を肌身に感じたことはなかった。 この変化にうまく対応できたも…

頭をくすぐられる ---もものかんづめ(さくらももこ)---

優れたものは力が抜けている。 「これは凄いんだぞ!なぜなら、こーで、あーで・・・・・・」と力まれると、その緊張感が気になってしまい、そのもの自体に集中できなくなる。 良いものは、なんかええなぁという感覚が自然と心に流れ込んでくる。 そのような…

【7つの習慣体験記part3】自分の使命“個人のミッションステートメント”を作る方法--終わりを思い描くことから始める--

”人生において何を達成するのか”、”生きていく上で何を大切にしていくのか”を明確にすることで行動に一貫性が生まれ、日々の判断に迷いがなくなる。 このように人生における選択の基準となる指針を、7つの習慣では「個人のミッションステートメント」と呼ん…

【7つの習慣体験記part 2】人生を支配する --主体的である--

今回から7つの習慣を1つずつ、私の体験談を交えて紹介したいと思う。 1発目は、「主体的である」こと。 多くの自己啓発本で大切だとされていることであるし、学校教育や職場でも再三「主体的になれ」と言われる。 ただし、本書の主体性は、一般的なイメージ…

【7つの習慣体験記part 1】 --まずは紹介--

完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change 作者:スティーブン・R・コヴィー キングベアー出版 Amazon 私は「なんもやる気がしないけど、なんかやっている感出したい」時にはオリラジ中田敦彦さんのYouTube大学を視聴するようにし…

読むだけで元気になる!岡本太郎の魂の名言 -自分の中に毒をもて(岡本太郎)-

岡本太郎の著作「自分の中に毒を持て」から、読むだけで元気になる魂の名言を紹介する。 この本は、私のバイブルだ。 なぜだか、読むだけで、 自分の人生がドラマティックに思え、力が湧いてくる。 岡本太郎は闘いの人だ。既成概念、体制、そして自分自身、…

なぜ「空気」を読むのか(2)-「空気」の研究(山本七平)-

「空気」の研究 (文春文庫) 作者:山本 七平 文藝春秋 Amazon 前回は、本書第1章の『「空気」の研究』の内容に沿って、人々を拘束する「空気」が生成される原理を紹介した。 そして、空気の支配を打破するために、かつては「水を差す」という方法がとられて来…