【人間関係】ひろゆきから学ぶ5つのコツ -『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(ひろゆき)-
本書でひろゆき氏は、バカな人と距離を置くために、ひろゆきが実践している方法を紹介している。
ひろゆき氏いわく、現代はバカな人と賢く距離を置くことが幸せになるための鍵であるという。
「バカな人と距離を置く」というと過激だが、言い換えると「苦手だな」とか「なんとなく合わさないな」と感じる相手と、どうやってうまくいことやっていくかについて、すごく実践的なアドバイスをしている本である。
実践的とは、無理をしないでできること、という意味である。
人間関係の指南書は数あれど、ひろゆき氏のアドバイスは自分に負荷が小さいところが優れていると思う。
この記事では、
本書の中でも特に重要な5つをピックアップして紹介する。
- 本書の基本情報と読書の動機
- コツ1 : 嫌われるデメリットを把握する。
- コツ2 : ダメだけど憎めないキャラになる。
- コツ3 : パクる。
- コツ4 : やる気に頼らない。
- コツ5 :イやなことを考え続けるか、浮かんだ時のリアクションを決める。
- まとめ
本書の基本情報と読書の動機
【著者について】
著者のひろゆきは言わずと知れた『2ちゃんねる』の元管理人。最近は、カリスマYouTuberとしても話題。ひろゆきが酒を飲みながら視聴者の悩みに答えるという形式の動画がバズり、ひろゆきの配信の面白い部分を切り取った”ひろゆき切り抜き”と呼ばれるものが、YoutubeだけでなくTikTokなどに大量にアップされている。
【本の目次】
序章 「自分だけがトクする」領域は広がり続けている
第1章 バカに振り回されない戦略的コミュニケーション術
第2章 厄介なヤツを味方につけるストレスフリーの仕事術
第3章 「他人の目」をスルーするスキル
第4章 自分の「資産価値」を上げるメンタル術
第5章 周りがどうなろうと「ノーダメージの個人」になれる
特別付録 ストレスフリーでいるために僕が『しないこと』リスト
【本書に興味を持った理由】
ひろゆき切り抜き動画を見て、次のような印象を抱き、まとまったものを読みたくなった。
- 「いわれてみれば確かにそうだよね」と納得できるものが多く、自分ではうまく言語化できないものをズバッと整理してくれるので気持ちがいい。
- 合理性や論理性だけでなく、意外と世間の感覚や常識に照らした現実的な意見が多い。
コツ1 : 嫌われるデメリットを把握する。
まず、人から嫌われることが自分にとってどんなダメージがあるのかを考えてみる。
普通どんな相手であっても嫌われることは嫌だなぁと感じるが、改めて考えてみると意外と嫌われたって問題ない場合も多かったりする。
そういうことを自分の意識に上らせるだけで、漠然とした人間関係への恐怖やめんどくささが薄らいでいく。
ひろゆき曰く、
もし、自分を嫌ってくる相手から実害がある場合は、週何回くらい悪口を言われるのか、悪口の程度はどんなものか、どういう嫌がらせをされるのか、などを、きちんと記録しましょう。 記録を取ってきちんと定量化しているのであれば、上司に状況を報告して異動願を出すとか、しかるべきところに訴えることだってできます。最近は、パワハラ訴訟で損害賠償を勝ち取ることも珍しくはなくなっていますよね。 そして、実害がないのであれば、できるかぎりスルーするのが吉です。 実害はきちんと記録、たんに感情的な問題なら「世の中そういうものだ」と受け流しましょう。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.1066).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
ちなみに、嫌われることが必ずしも悪いことではない、というひろゆきの考え方は以下の動画でも語られている。
コツ2 : ダメだけど憎めないキャラになる。
周囲からできる奴だと思われたいというのが自然な感覚だ。
だが周囲の評価を上げようと思うと、そのための努力は大変であるし、他者にスキを見せられなくなり、人付き合いが疲れるものになってくる。
むしろ、できなくても許されるポジションを目指した方が楽に過ごせるかもしれない。
ひろゆき曰く、
自分にとって自然に演じることができて、ほかの人とあまり被らないキャラのポジションを取れれば、かなり居心地がよくなります。できれば、「ダメなヤツだけど、憎めない」くらいのポジションがおすすめです。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.434-436).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
こういうのは狙って得るのは難しいと思われるかもしれない。私が一つコツだと考えるのは、
「プライドを捨てて素直なリアクションをする」ことだと思う。
例えば、上司や先輩から何か指摘された時に、自分の非を認めたくないという本能から、反射的に反論や言い訳をしてしまったりしてしまう。口には出ないまでもムッとした態度が表にでてしまうこともある。
”間違うような奴だと思われると不利益が生じる、立場が悪くなる”という考えが無意識に刷り込まれているから、このような反応をしてしまう。
なので、意識的に”間違ってても全然大丈夫”と言い聞かせる習慣をもつと、素直に”すんません、てへへ”という反応が取れるようになる。
実は私はいわゆる”高学歴無能”で、以前は馬鹿だとばれないようにびくびくしていたのだが、ある先輩が”高学歴無能”というポジションを確立して、周囲からいじられたり、文句をいわれながらも、なんやかんやスムーズに仕事を回している姿を発見し、積極的に無能キャラを売りにするようになった。
というわけで、自分にコンプレックスがあるなら、むしろそれを武器にしていくように考えたらよいと思う。
例えば、内気で人とのコミュニケーションが苦手な人であれば、以下の記事で紹介した本が参考になる。
ちなみに、無能キャラについては次の切り抜き動画も面白い。
コツ3 : パクる。
頭のいい人ほど、パクるということに抵抗感を持つのではないだろうか。
上司や先輩からの指示に対しても、指示通りに行うだけでなく、自分の頭で考えた工夫を入れたくなったり、疑問に思う点は意見したくなったりしないだろうか?
だがひろゆき曰く、
「この人は何だかヘンなことを言っている」「そんなわけはない」と思っても、自分の手元にある情報が少ない段階では、それが合っているかどうかを正確に判断することはできません。だから、まずは言われた通りに、上司や先輩の言う通りにしたがってみるのをおすすめします。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.377-380).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
その理由は次の通り。
- 他人の知識を利用することで自分の試行錯誤を短縮することが出来る。
- たとえ間違っていたとしても、「間違っていたとわかる」ことも重要。
- おとなしく言うこと聞くことで上司や先輩ウケがよくなり、会社の居心地は確実に良くなる。
- 自分なりの工夫を入れるのは、仕事の全体像が見えてきてからで良い。
思考停止でなんでも鵜呑みにするのはよくないが、すべて自分で考えなきゃ気が済まないというのにも気を付けたほうが良いようだ。
パクることの重要性は、次の動画でも語られている。
コツ4 : やる気に頼らない。
切り抜き動画で、ひろゆきは”人にやる気なんてモノは存在しない”ということを繰り返し述べている。
これが真実だとすると、「やる気が出ない」ことに悩むことは、それ自体まったく無意味である。
では、どうするか?ひろゆき曰く、
僕がよく使うのは、「自分をトコトン甘やかす」というワザです。 たとえば、原稿を書かないといけないのにやる気が出ない、ゲームしたいという状況だったとしましょう。 そんな時、僕は「原稿を1行書いたら、ゲームを1時間してもいい」ことにします。まあ、我ながら、これはいくら何でも自分に甘すぎますかね。 そして、原稿を1行書くわけですが、たいていの人は1行だけでは終わらず、2行目もついつい書いてしまいます。「原稿1行にゲーム1時間は、さすがに人としてまずいだろう」という罪悪感もありますから。 2行目を書いたら、3行目も何とか書ける。それを続けていくと、気分が乗ってきてあっさり原稿が書けてしまったりもするわけです。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.901).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
僕が思うに、人間には「自分が今やっている行為を続けようとする」性質があります。イヤなことにはなかなか手をつけられないでついつい別のことをだらだら続けてしまいがちですけど、そのイヤなことをいったんやり始めたら、今度はそっちをやり続けてしまう。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.908-910).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
この「原稿を1行書いたら」のように、開始のハードルをぐんと下げるのはすごく効果的。
また、やらなきゃいけない課題をできるだけ小さく分割するということは別の効果もある。
課題が大きいほど取り組むのにまとまった時間が必要となり、その時間を捻出するのが大変になる。
そうすると、いつまでたっても取り組めずに先延ばしになってしまう。
なので、大きな課題を分解して小分けにし、隙間時間にちょっとずつ取り組むといったことが出来ると、仕事の効率が上がる。
ちなみに、やる気についての、ひろゆきの考え方は次の動画。
コツ5 :イやなことを考え続けるか、浮かんだ時のリアクションを決める。
これは人を選ぶので、まずは自分のタイプを見極める必要がある。
ひろゆき曰く人間のタイプには次の2つがある。
- イやなことを考え続けられる人
- イやなことを考え続けるとそれが、ストレスになり、自爆してしまう人
1.のタイプの人は、あえて何度も「嫌なこと」について考え続けるようにするとよい。
たとえば、電車の中で足を踏まれて、なおかつ怒鳴られるなんて理不尽な目に遭ったら、すごくムカつきますよね。だけど、それを何度も何度も思い出していると、そのうち何も感じなくなる。人間の脳は、同じ刺激に慣れる性質がありますからね(繰り返しますが、何度思い出しても慣れない人は、無理に思い出そうとはしないでくださいね)。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.1098).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
2.のタイプの人は、どうすればよいのか? それは、嫌なことを思い出した時のリアクションを決めておくというもの。
たとえば、「大事なプレゼンで失敗してしまった」ということを思い出し、「ああーっ」となってしまったら、「左手をぐっと握る」。「告白したけどふられた」ことを思い出したら、「右の耳たぶを引っ張る」とか。
ひろゆき(西村博之).自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術(Kindleの位置No.1118).SBクリエイティブ株式会社.Kindle版.
こうすると、リアクションの方に意識が向くので嫌なこと自体が気にならなくなってくるという。
”気にしないようにする”というのは難しく、そうしようとすればするほど、かえって気になってくる。
このように、別のものに意識を向けるというのはいろいろな場面で使えるよい方法だと思う。
嫌なことから意識を逸らすことについては以下の動画も参考に。
”息を止める”という凄い方法も紹介している。
まとめ
今回『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』の中から、「バカな人と賢く距離を置く」コツを5つ紹介した。
- 嫌われるデメリットを把握する。
- ダメだけど憎めないキャラになる。
- パクる。
- やる気に頼らない。
- イやなことを考え続けるか、浮かんだ時のリアクションを決める。
本書の目次でいうと、第1章~3章の中からピックアップしている。他の章の内容も気になった方はぜひ購入を検討してみてください。
【本書の目次】青字がこの記事で紹介した範囲
序章 「自分だけがトクする」領域は広がり続けている
第1章 バカに振り回されない戦略的コミュニケーション術
第2章 厄介なヤツを味方につけるストレスフリーの仕事術
第3章 「他人の目」をスルーするスキル
第4章 自分の「資産価値」を上げるメンタル術
第5章 周りがどうなろうと「ノーダメージの個人」になれる
特別付録 ストレスフリーでいるために僕が『しないこと』リスト
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ひろゆきみたいに、論理的に思考したいと思った方は次の記事もぜひ。
自分らしく生きる、ということに強いこだわりがある人は、岡本太郎の「自分の中に毒をもて」という本がおススメ。次の記事で紹介している。