【無料】DX(デジタルトランスフォーメーション)を理解するためのネットコンテンツまとめ
いきなり「DXをやれ!」と言われたときに備える!
数年前からDX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく聞かれるようになった。
なんとなく、IT関係の話ということは分かるけど、いまいち具体的なイメージが湧かない言葉ではないだろうか。
ネットで「DXとは?」などで検索すると説明サイトがでて来るが、抽象的な概念の説明だったり、クラウド、AI、IoT、などのIT用語が飛び交い、自分の仕事と具体的に結び付けて理解することがなかなかに難しいのではないだろうか。
恥ずかしながら、私もITの仕事に携わっていながら全然理解せず、単なる流行りのビッグワードだろうと流していた。
ところが、最近DXをいよいよ無視できなくなってきた。この記事を読んでいる方も、ある日突然DXの仕事が降ってくる可能性は高い(すでにそうなっている方も多いだろう)。
経済産業省肝いりで推進していることだけあって、私の会社でもいよいよDXをやるぞという空気が高まってきた。
いざ、DXの仕事を任されたときに怖いのが指示する側もDXを理解しているとは限らないということだ。仕事を任されたあなたは、1からDXについて研究しなければならない。
またDXでは、非常に多岐にわたる分野の知識が必要になるので到底1人で何とかなるものではない。様々な関係者を巻き込んでいかなくてはならない。
しかもDXは、現在の仕事の在り方をぶっ壊すという思想が根底にあるので、様々な抵抗勢力を説得することも必要である。
よって、なんの準備もない状態でいることは非常にリスクが高い。今のうちに必要な知識を身に着け、協力を求めることになる相手とコネクションを作っておく必要がある。
そこで、この記事ではDXの準備の第一歩が踏み出すために必要な無料のネットコンテンツをまとめた。DXとは何か、注目されているAI・IoTの活用事例や導入方法、などについてコンテンツを集めた。
DXのコンセプトをおさえる
最初に戸惑うのが、DXとはいったい何をさしているのかいまいちピンとこない部分だと思う。業務のIT化と一体なにがちがうのか?というところがわかりずらい。
AIやVRなど最先端のITツールを導入することなのか?あるいは紙の書類を電子化することなのか?
それらもDXの1つのステップではあるが、根本的な違いはITを使って何を目指すのかという部分である。DXはどんなITツールを使うかは問うてない。ITをつかって何を成すのかが問われている。
現在のビジネスのやり方をそのままにして、単に業務効率化や負荷軽減を目指すというではDXとは言えない。それらにとどまらず、事業モデルを新しく作るというところまで踏み込むのがDXだ。そのため経営層まで巻き込む必要がある。
このあたりの認識共有が周囲ととれていないと、うまく関係者を巻き込んでいくことができない。そこでまずは、DXという言葉が指す概念について理解をすることが重要である。
DXのキーコンセプトを3分で(業務効率化やIT化との違う?)
以下の動画では、DXに関する主要な考え方が端的にまとまっている。DXについて調べ始めたけど、色々な情報が出てきて混乱してしまった方は、まずこちらの動画でエッセンスを掴むのが良いと思う。
具体例でイメージを膨らませる
次の動画はAmazonの具体的な事例がアニメーションで説明されていてわかりやすい(5:37から)。DXでは、どういったレベルのことを達成しようとしているのか具体的にイメージがわくと思う。
背景となった脅威「2025年の崖」について(経済産業省のDXレポート)
日本でDXが注目を集めるきっかけの1つに、2018年に経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム『2025年の崖の克服とDXの本格的な展開~』というレポートがある。
そこでは、
- 既存システムが日本のデジタル化の障害となっている
- 企業がデジタル化できなければ、2025年までに年間最大12兆円の経済損失が生まれる
- ユーザ企業、エンジニア、ベンダー企業それぞれが取るべき対応
がうたわれている。
こちらのレポートを直接読むのはなかなかハードだが、次の動画では分かりやすく要点がまとめられている。
経済産業省のDXレポート原本は以下のページの「関連資料」のところから閲覧できる。
さらに、2020年12月にこのレポートの第2弾が発表されている。
次に、DXの話題の際に取りざたされることの多いAIとIoTについて、活用事例や導入に必要なこと、学習方法についてのコンテンツを紹介する。
AIの活用事例・導入・学習方法
AI活用事例
コールセンタ業務
三井住友FGは顧客からの電話やメールで問合せを受けた、オペレーターが問合せ内容を入力すると関係する、資料をAIシステムを構築している。
工場設備の故障予知
次は後述するIoTとAIの組み合わせになる。工場の設備にセンサを取り付け、収集したデータをAIに学習させ故障の予兆を検知する。
その他の活用事例いろいろ
AINOW(エーアイナウ)という、AI関連の記事を扱うサイトにさらに豊富な事例が掲載されている。
AIを導入するには?
AIに興味は持ったが、導入にはどうしたらよいか。
様々なところで必ず言われていることとして「まず、解決したい業務課題を明確にすること」が重要だとのことだ。課題からスタートせずに、AI導入を目的化してしまい失敗するケースが多いという。
AI導入に必要なものや導入手順
NTTデータ先端研究所のコラム記事に、AIの導入に必要なものと導入の手順について書かれている。
導入プロジェクトの進め方や必要な体制
また、ビジネス及びITコンサルティングを手掛ける「Avinton」の動画では、AI導入プロジェクトの進め方や必要な体制について紹介されている。
AIについて学ぶ
AI・機械学習・ディープラーニングの意味の違いは?
これらの言葉の違いを理解するには、次の動画がわかりやすい。
投稿者が所属しているキカガクという会社ではAIや機械学習の研修を実施していて、私も参加したことがあるが講義や資料が非常に分かりやすい。株式会社キカガク | 研修事業
機械学習とは?
次の動画では、AIで注目される機械学習についての簡単な解説と学習方法について解説している。
上記の動画で紹介されている無料のプログラミング学習サイト以下。
これからAI開発を考えているエンジニア向けの動画
次の動画では、Google、Microsoft、Amazonの画像認識API技術の比較をしている。
AIの技術を自分でゼロから構築するのは非常に難易度が高い。そこで最先端のテクノロジーカンパニーが提供しているAPIを利用するのが近道(APIについても動画の中で説明がある)。
IoTの活用事例・導入・学習方法
IoTとは?
Iotとは「Internet of things(モノのインターネット)」の略で、モノ同士が人間を介さずにインターネットを経由して情報をやりとりすること。
なじみがないとピンとこないと思うが、次の動画をみるとイメージがわくと思う。
IoTはAIと組み合わせることで真価を発揮する
モノから収集した情報をAIに与えることでIoTは大きな力を発揮することができる。
IoT活用事例
SORACOMの製造行IoT導入事例動画
モノのインターネットということだけあって、製造業での事例が圧倒的に多い。
IoT向けの無線通信プラットフォームサービスを提供してるSORACOMが活用事例を紹介している。SORACOMサービスの紹介ではあるが、業務応用のアイディアを出すのに参考になると思う(事例は8:45から)。
NTT東日本のIoT活用事例紹介の動画(工場設備の監視)
こちらは、NTT東日本のIoT活用事例紹介の動画
スマートIoT推進フォーラムのIoT導入事例紹介
スマートIoT推進フォーラム*1のサイトではさらにさまざまな事例が紹介されている。
IoTの導入をするには
IoT導入プロジェクトのステップ
半導体製造をはじめとする産業機械などのエンジニアリングサービスを提供するジェイエムテクノロジー株式会社が運営する「現場IoT実践塾」というサイトではさまざまなIoTノウハウやセミナー情報の記事がある。
相談先のメーカ・ロボットシステムインテグレータの紹介
ロボットシステムの導入や自動化装置・治工具等の設計から製造、販売をおこなっている「日本サポートシステム」のサイトでは、工場へIoTを導入する際に必要となるポイントや導入相談先としておすすめの、メーカ・ロボットシステムインテグレータを紹介している。
東京都中小企業振興公社の相談窓口(無料)
東京都中小企業振興公社では、「IoTって何?」といった質問から「デジタル技術を利用して会社の課題を解決する方法」などについての無料の相談窓口を用意しているそうだ。
IoTを学ぶ
IoTエンジニアになるために必要なスキルや勉強の仕方について
無料のオンライン大学講座「gacco」
NTTドコモの子会社が運営しているサイトで、無料で大学講師のオンライン授業を受けられる。
最後に、体系的に調べたい方向けにおすすめの書籍
今回DXについて、そのコンセプトや背景となる危機感、そしてAI技術やIoT技術について参考になるネットコンテンツを紹介してきた。
この記事を書くにあたり、DXの全体観を把握するために下記の本を参考にした。
DX関連の話題を網羅的に平易に解説している本で、DXについてほとんど触れたことがない人にとって参考になると思う。
今回紹介しなかったDX関連技術(ブロックチェーン、3Dプリンタ、VR/ARなど)の紹介や、今後ディスラプト(破壊)される産業や今後発展する産業についての記述がある。
全体的に、広く浅い記述になっているので、詳しく知りたい方には物足りないかもしれない。
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