政治から盗む組織の意思決定の極意 -日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ(飯尾潤)-
組織の意思決定の参考になる本
厳めしいタイトルの本であるが、要は「日本の政治では物事を、誰がどうやって決定しているのか。」について説明した本である。つまり、政治における意思決定プロセスが明らかされる。
政治は意思決定のプロの世界である。そのため合意を形成するために、人間心理を熟知した巧みな仕組みがたくさん用意されている。そこには問題もあるが、素直に舌を巻く。
政治に興味がなくても、会社や家庭、地域社会など身近な組織にて、なかなか意見がまとまらず困っているという人にも参考になる点は大いにある。その場合全編読むのは、しんどすぎるので「第3章 政府・与党二元体制」だけでも読むと良いかもしれない。自民党の政策審議プロセスについて詳述されている部分なのだが、自民党という多種多様な主張や利害を持つ人が寄り集まっている集団がどうして意見をまとめることができるのには、それなりの工夫があることがわかり、とても参考になる。
続きを読む【権力とは】武士ってなんで源平なの?もやしっぽくない? -武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世(桃崎有一郎)-
武士の力の源は何か?
武士の成立起源について、
「地方の有力者たちや荒くれ者たちが朝廷の支配に不満をいだき、力ずくで政権を奪い取った。」
そんなイメージを持っているだろうか。
しかし、武家の代表格である平氏と源氏はともに天皇の子孫の家系である。
皇族からは離脱しているものの、地方の豪族たちとは血統の貴種性が段違いの存在である。
平氏や源氏の下には、地方で何世代にもわたって地位を築いてきた地場の有力者たちがいる。
それらの人々は、なぜ自らが主導するのではなく、平氏や源氏に付き従ったのか。
どうやら武士が発生し朝廷を凌駕する権力を獲得するには、武力だけでは足りなかったようだ。
今回紹介する「-武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世(桃崎有一郎)」(以下、本書)では、いまだ謎につつまれている「武士の起源」の解明を試みている。
武士が発生する過程を追うことで、支配力を形成するにはどのような要素が必要となるのかについて重要な示唆が得られる。
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即位って割とギスってる。。。-天皇の日本史(井沢元彦)-
藤原氏、源氏、徳川など日本の歴史では様々な支配者たちが現れてきた。
ところが実質的に日本を支配しながらもなぜか天皇にとって代わることはせず、形式的な日本のトップはずっと天皇であった。これはなぜだろうか?
よく聞かれるのは、「天皇を滅ぼすよりも、天皇の権威を利用して自身の権力に正当性をあたえたほうが都合がよかったからだ。」という意見だ。
それも理由の一つに違いないと思う。だが、他国では王朝交代が普通に行われていることを見ると、日本でだけ王朝交代が起こらなかった説明としては弱いのではないかと感じる。
そのため、そこにはきっと日本独特な面白いドラマが色々と隠されているのではないかと思う。
そこで、日本史において天皇がどのような存在であったのかを確認しようと考えて、本書を手に取った。
続きを読むリアルに興味がもてない。ならば気軽に付き合えばよい。 -弱いつながり 検索ワードを探す旅(東浩紀)-
中国の何がヤバいのか? -独裁の中国現代史 毛沢東から習近平(楊海英)-
【人間関係】ひろゆきから学ぶ5つのコツ -『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(ひろゆき)-
本書でひろゆき氏は、バカな人と距離を置くために、ひろゆきが実践している方法を紹介している。
ひろゆき氏いわく、現代はバカな人と賢く距離を置くことが幸せになるための鍵であるという。
「バカな人と距離を置く」というと過激だが、言い換えると「苦手だな」とか「なんとなく合わさないな」と感じる相手と、どうやってうまくいことやっていくかについて、すごく実践的なアドバイスをしている本である。
実践的とは、無理をしないでできること、という意味である。
人間関係の指南書は数あれど、ひろゆき氏のアドバイスは自分に負荷が小さいところが優れていると思う。
この記事では、
本書の中でも特に重要な5つをピックアップして紹介する。
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【DXレポートを読んで③】レガシーシステムの仕様を整理したいけどどうしたらいいの?
【DXレポートを読んで①】レガシーシステム問題にどう取り組んだらいいの?
DXレポートとは、2018年9月に経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の題で公表した報告書である。
報告の意図として、日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現していく上でのITシステムに関する現状の課題の整理とその対応策をとりまとめた*1としている。
※DX自体についてはこちらの記事を参照。
レポートでは、老朽化・ブラックボックス化した既存システム(レガシーシステム)がDX推進の足かせになっていることを強調している。
かなり実態に鋭く切り込んでいて興味深い。
私は、ユーザ企業の情報システム部員(いわゆる社内SE)であるが、
日々感じている問題意識(というか"鬱憤")が指摘されていて非常に痛快だった。
また、かつて数十年もののフルスクラッチ*2の基幹システム*3をERPパッケージ*4に置き換える仕事に携わった経験から、既存システムのブラックボックス化*5の問題の根深さは嫌というほど痛感している(というか今も苦労している)。
そこで、レポートで記述されている問題点や対応策を今後の活動に生かしていきたいという思いから、記事を書くことにした。
この記事では、DXレポートやその後に公開された情報に触れながら、
既存システムの問題を、イチ社内SEが実務にどのように取り組んだらよいかを複数回にわたり考えていきたいと思っている。
また、2020年12月には「DXレポート2」が公表されている。前回のレポート公表以降のDX政策と結果や、今後企業・政府がとるべきアクションが報告されている(デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取りまとめました (METI/経済産業省))。
今回は、主に2018年のDXレポートを中心に見ていくが、次回以降の記事で、DXレポート2についても議論していきたいと思っている。
*1:経済産業省. “デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)を取りまとめました”.https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004.html, (参照 2021/5/30)
*2:フルスクラッチ:システムを一からプログラミングして導入すること。別の方法として、"パッケージ製品"と呼ばれる既成のシステムを購入する方法がある。
*3:基幹システム:販売管理や、購買管理など企業で基幹となる業務を扱うシステム。
*4:ERPパッケージ:Enterprise Resources Planning の略。聞いたことがない人は、基幹システムのパッケージ製品と思ってもらえばとりあえずOKかと。
*5:ブラックボックス化:システムの中身が誰もわからない状態。古いシステムだと、仕様書などの資料がない、担当者がすでにいない、プログラムの書き方がぐちゃぐちゃでわかがわからない、という状態になっていることがある。「別に新しいシステムに入れ替える際に、現在の業務に沿って一から考えたらよいじゃん」というのは甘い。業務もシステム化されてしまっているので、業務側のルールやノウハウも継承されておらず、ほんとに誰もどうしたらよいかわからない、といったことがある。
謎設定『まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」―――剣は心なり』
気分転換に気換に気楽に読めるものはないかと、Amazon prime readingをあさっていたら目についた本。
「まんがでわかる系って浅いんだよな~」と期待せずに読んでみるとたまげた。
なんとこの漫画、
タイムトラベルものである。
続きを読む【無料】DX(デジタルトランスフォーメーション)を理解するためのネットコンテンツまとめ
いきなり「DXをやれ!」と言われたときに備える!
数年前からDX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく聞かれるようになった。
なんとなく、IT関係の話ということは分かるけど、いまいち具体的なイメージが湧かない言葉ではないだろうか。
ネットで「DXとは?」などで検索すると説明サイトがでて来るが、抽象的な概念の説明だったり、クラウド、AI、IoT、などのIT用語が飛び交い、自分の仕事と具体的に結び付けて理解することがなかなかに難しいのではないだろうか。
恥ずかしながら、私もITの仕事に携わっていながら全然理解せず、単なる流行りのビッグワードだろうと流していた。
ところが、最近DXをいよいよ無視できなくなってきた。この記事を読んでいる方も、ある日突然DXの仕事が降ってくる可能性は高い(すでにそうなっている方も多いだろう)。
続きを読むとにかく僕らは妄信する。-サピエンス全史(下) (ユヴァル・ノア・ハラリ)-
iPhone版KindleアプリでPrime Reading対象本をカテゴリを絞って表示させる方法
Amazonプライム会員ならだれでも無料で本が読めるPrime Reading。
ただ、対象本を探す際に、カテゴリを絞る方法がわかりずく、なかなかお目当ての本に巡り合えない方も多いのではないか。
そこで、この記事では、iPhone版のKindleアプリでカテゴリを絞り込んで表示させる方法を紹介する。
※まだAmazonプライム会員でない方は、下記リンクから30日間の無料体験の申し込みができる。参考まで。
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小麦の野郎に諮られたっ!-サピエンス全史(上) (ユヴァル・ノア・ハラリ)-
サピエンス全史は私たちが日頃流してしまっている、素朴で根本的な問題に取り組んだメッチャメチャ面白い本。
★サピエンス全史が扱う刺激的なテーマの例★
- 「なぜ人類は繁栄したの?」
- 「文明ってどうやって発展したの?」
- 「そもそも繁栄は、幸福なの?不幸なの?」
しかも専門用語が余り使われていないため、事前の歴史の知識はほぼ不要。
どうも難しそうというイメージを持たれているが、実際私は理系なので高校時代は世界史の授業は殆ど受けていないが、問題なくついていくことができた。
問題は上下巻に別れるほどに長いことだ。忙しい方々には、ちょっとしんどいかもしれない。そんな人はこの記事の要約を読んでサクッとエッセンスをつかんで貰えると嬉しい。
私自身は、こんなに面白い本を読んだので誰かに話したくてたまらない。だが残念ながら、こんな話題を職場や飲み会でどや顔で話したら、間違いなくウザがられる。
というわけでこの場を借りて、私がサピエンス全史を読んで好奇心をくすぐられた部分をイラストを交えて要約・解説する。
本の体裁に合わせて。記事も上・下に分けて投稿する。
▼下巻の記事はこちら▼
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