天竺目指して、ひきこもる。

いまより知的で気楽に生きるために役立つ本を紹介します。

「嫌われる勇気」を読んだけど「課題の分離」から先に進めない人へ

結局何すればいいんだっけ?課題の分離?

※忙しい人は、「議論の筋道の俯瞰(本書の議論の筋道をゴールからブレークダウン」まで読み飛ばしてください。

流行ったころにこの本を読み、「世界の見え方が変わった!」という感動を味わえたのもつかの間、「で、結局何すりゃいいんだっけ?」と途方にくれてしまい、「よくある、ドメスティックサイヤ人養成本」かと、放ったらかしにしてた。

その後、ほかの自己啓発本や仏教の本などを読んでいくと、本書と共通する考え方に触れる機会が何度もあり、にはかに興味が再燃し「How To」にフォーカスして再読しようという気になった。

再読したところ、やはり「目先の手段から最終ゴールに至る筋道が」が見えずらいなと感じた。

そこで、「議論を筋道を整理し、How toに落とし込む」という視点で、本書の内容を整理してみた。

※記事内で、緑字にしている部分は私の解釈が強い部分です。

 

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

 

議論の筋道の俯瞰(本書の議論の筋道をゴールからブレークダウン)

この本の議論の筋道を最終ゴールブレークダウンする形で整理した(図1)。

(1)が一番大きな主張で、(2)には(1)を達成ために必要なこと、(3)では(2)を達成するために必要なこと、、、、というように、"How"で順々に具体化していっている。なので、一番最初に必要なアクションは(5)の「自分の課題と他者の課題を分離(課題の分離)する。」となる。が、すべてのプロセスが「貢献感を実感し幸せになる」を目指していることをきちんとおさえて置かないと、課題の分離の先のステップを理解するのが難しくなる。また、そもそも幸福=貢献感、という主張に共感でき無い場合は、残念ながら課題の分離以降のステップで何かを得ることは根本的に難しいと思われる。

以下、(1)から順に解説していく。

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図1. 議論の筋道をゴールからブレークダウン

(グレー背景文字は、本書内で対応する記述のkindle版でのロケーション)

(1) 幸せとは貢献感である

これは、最後の最後にでてくる。

哲人  もうあなた も お気づきですよね?すなわち「幸福とは、貢献感 である」。それが幸福の定義です。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.3227-3228). . Kindle 版.

 

なぜ、「貢献感=幸福」なのか?というと、

哲人 人間 にとって 最大 の 不幸 は、 自分 を 好き に なれ ない こと です。 この 現実 に対して、 アドラー は きわめて シンプル な 回答 を 用意 し まし た。 すなわち、「 わたし は 共同体 にとって 有益 で ある」「 わたし は 誰 かの 役に立っ て いる」 という 思い だけが、 自ら に 価値 が ある こと を 実感 さ せ て くれる の だ と。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.3214-3217). . Kindle 版.

つまり、「幸福=貢献感=自らに価値があるという実感」

(まあ、論理的には、「貢献感」は「幸福」の必要条件で、十分条件にはなってないけど。。。)

 

■3点陥りやすい誤解を回避するためのQ&A3選

①自己犠牲する、ということ? 

 ⇒No。

他者 貢献 とは、「 わたし」 を 捨て て 誰 かに 尽くす こと では なく、 むしろ「 わたし」 の 価値 を 実感 する ため に こそ、 なさ れる もの なの です。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.3026-3028). . Kindle 版.

②偽善との違いは? 

 ⇒見返りを求めずに「わたしが他者に何をできるのか」にフォーカスすること。

しかし この とき、 たとえ 家族 から「 ありがとう」 の 言葉 が 聞け なかっ た として も、 食器 を 片づけ ながら「 わたし は 家族 の 役 に 立て て いる」 と 考え て ほしい の です。 他者 が わたし に なに を し て くれる かでは なく、 わたし が 他者 に なに を できる かを 考え、 実践 し て いき たい の です。 その 貢献 感 さえ 持てれ ば、 目 の 前 の 現実 は まったく 違っ た 色彩 を 帯び て くる でしょ う。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.3063-3067). . Kindle 版.

③見返りを求めなければ、何してもいいの?

  No。自分の課題、他者の課題の区別(課題の分離)ができるようになっていることが前提。課題の分離については、(5)参照。

いまいちピンとこないかもしれない。これらを直観的に違和感なく受け入れられるマインドセットを読者に作らせることがこの本全体を通して、狙っていることなんだと感じる。

※ちなみに「幸福=貢献感には異議あり」という議論も展開されるが、正直ロジックでは相容れない価値観の問題に感じたのでここでは深追いせず受け入れる。

この主張を、受け入れがたい人は、第五夜の「「特別 な 存在」 で あり たい 人 が 進む、 ふたつ の 道」以降を読んで、それでも腑に落ちなければ、切ってしまっていいと思います。

 

(2)貢献感は、自分の居場所があるという感覚(「共同体感覚」)を獲得するプロセスの1つ

詳細は(3)になるのだが、ここでは先に進む前に、持っておきたい前提を書く。

貢献感を得るには、「よし、ボランティアでもやるか」とか、というノリで、貢献っぽいこと、すればよいわけではない違うということは感覚的に分かると思う。

じゃあ、どうして急に、「共同体感覚」というまどろっこしい概念が出てくるかというと、ここでいう貢献が、日常会話の"貢献"よりも非常に繊細で、間違った行動になりやすいからだ 

 ・自己犠牲になったらNG

 ・見返りを求めたらNG

 ・課題の分離が出来ていないとNG(≒余計なことをしない))。

これらは、回避するには共同体感覚のイメージと、なぜそれがが必要なのかを理解しておく必要がある。

 

(3) 共同体感覚の獲得には「自己受容」・「他者信頼」・「他者貢献」のサイクルを回す必要がある

この本の中で、人間関係の最終ゴールといわれている「共同体感覚」。最終ゴールというだけあって壮大であり、一朝一夕なせるものではないらしい。

やはり、こいつの獲得について、How Toを整理する部分が一番ややこしいかなと感じる。

     「結局まず何をどうしたらいいの?」と私はなった。

 

まず、ここでは共同体感覚のイメージを膨らます。そのあと続く(4)で、まず何から始めるのかという流れで展開する。

■「共同体感覚」とは?

 他者 を 仲間 だ と 見なし、 そこ に「 自分 の 居場所 が ある」 と 感じ られる こと

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.2241). . Kindle 版.

■「共同体」って何?

本の中では「共同体」というものについてかなり紙面を割いて説明されているが、ざっくり「共同体≒他者」と思っとけば、問題ないと思う。当然、日常の人と関わる場面家庭、職場、友人関係はすべて共同体の一つだし、自分と相手の2者だけでも共同体である(最小単位)。

 

■共同体感覚を獲得するプロセス

ここは、言葉一個一個をよく咀嚼し消化することが必要

共同体感覚を得る瞬間は、他者貢献により「誰かの役に立っている、と実感した」ときである。重要なのは実感であり、「他者から褒められてうれしい、ではない」ということ。なぜかというと、自分で自分に価値があると思うため(=幸福)に、貢献をしているのであって、他者からの評価のために貢献しているのではないからだ。

他者貢献をするには、貢献をする相手である「仲間」が必要である。この「仲間」という表現も、日常会話より強いニュアンスがある。単なる職場の同僚、学校のクラスメートではなく、「心の底から、自分と他者を仲間だと」実感している状態を指している。そのような仲間であるという実感を得るために、他者を無条件に信頼し、深い関係を築く必要がある。それが「他者信頼」。裏切られることも恐れず、無条件に信頼するのがみそ。

そして、他者信頼をするには、裏切りをありのまま受け入れる、「自己受容」が必要になる。

そして、これら「自己受容」・「他者信頼」・「他者貢献」は円環になっている(下の図2)

 

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図2 共同体感覚獲得プロセス

難点は、自己受容と他者信頼において「勇気」が必要であること。

 自己受容⇒ 理想とのギャップを受け入れる勇気。

 他者信頼⇒ 裏切れることの恐怖を踏み越える勇気

 

最初の一歩を踏み出すための、勇気を得るためにどうしたらよいか、というのが(4)になる。 

(4) まず一つ、相手への評価や・操作を目的としない関係(「横の関係」)を築き、最終的には、人生で避けられない対人関係(人生のタスク)に立ち向かうことで達成できる

■勇気を持つにはまず、1つ他者との間で横の関係を作ることから

こういうロジックとなっている↓

①横の関係を築けていれば、感謝や尊敬、喜びの言葉をかけることが出来る

 ↓

②人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知り、自分には価値を価値があると思える。

 ↓

③自分には価値があると思えた時だけ、勇気を持てる

ん~、ちょっとスピリチュアル感あるかな。

私自身は、③については経験上かなり納得感があるが、②は全くあてはならないわけではないが、必ずしもそうでないかなと、①については、正直あんまりピンと来ず、そういうもんかなぁ~という感触。

とはいえ、まったくの出鱈目でもないと感じるのと、あくまでロジカルに書くと上記だが、メンタルな話なので、本質は「横の関係」が1つでも築けた成功体験があれば、それが「自己受容」したり、ほかの相手に対しても「他者信頼」をする、勇気の源泉になるということかな、と解釈している。

■で、横の関係とは?

相手との自分との間で上下の評価や、相手への操作を目的としない関係のこと。

定義しようとすると、イメージが難しいので「横の関係になっていない」例を本文から引用する

哲人   間違い あり ませ ん。 上司 や 部下 の よう な とらえ 方 では なかっ た として も、「 A 君 は わたし よりも 上 だ が、 B 君 は わたし よりも 下 だ」「 A 君 の 意見 には 従う が、 B 君 には 耳 を 貸さ ない」「 C 君 との 約束 など、 反故 に し ても かまわ ない」 という よう に。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.2735-2738). . Kindle 版.

 ■一つでも横の関係を築くと・・・?

もしも 誰 か ひとり とでも 横 の 関係 を 築く こと が でき た なら、 ほんとう の 意味 で 対等 な 関係 を 築く こと が でき た なら、 それ は ライフスタイル の 大 転換 です。 そこ を 突破口 に し て、 あらゆる 対人関係 が「 横」 に なっ て いく でしょ う。

岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (Kindle の位置No.2739-2742). . Kindle 版.

 

■最終的には、人生で避けられない対人関係(人生のタスク)に立ち向かう必要がある

実は私的には、ここまでの説明で包含されていると思うので、蛇足と思っているのだが、この本の中で繰り返し登場し、強調されているのでサクッとまとめておく。

(正直、メソッド感を出すために書いてるだけなのでは?と思っている。そう感じるくらい、たいして掘り下げられず浮いてる感じがするんだよな~)

・仕事のタスク:仕事上の対人関係、仕事という強制力があるため結びつきを得るのは容易だが、仕事がなくなれ他人に戻れる薄

・交友のタスク:仕事という強制がない分踏み出すのも深めるのも難しくなる。

・愛のタスク:友達同士では許せた言動も許せなくなることがあるため、最も難しい。また親子関係は、原則関係を切ることができないという難しさがある。

 

さて、ここまでで幸福になるための対人関係構築の方法についての説明は終了となる。

しかし、これをいざ実践するためには、1つの重要な考え方を身に着けておく必要がある。

それが、「課題の分離」だ。

それがないと、共同体感覚獲得プロセス(「自己受容」・「他者信頼」・「他者貢献」)をすることはできない。なぜなら、プロセスを現実のケースに適応する際のガイドラインとなるからだ。

(5) 対人関係入り口に立つには、自分の課題と他者の課題を分離(課題の分離)する。

読了後、「課題の分離」だけが、印象に残ったのは私だけだろうか。

確かにこのフレームを得ただけでも、結構生きるのが楽になるが、最終ゴールである「幸せに生きる」にどうつながっていくかを、本文の第二夜、第三夜の内容から幹となる要素ピックアップする形でまとめたい。

課題の分離についてすっかり忘れていて、いまいちイメージがつかない場合は、本文を参照のこと。

■課題の分離とは

他者の課題と自分の課題を分離し、他者の課題には踏み込まず、自分の課題には決して踏み込ませない、こと。

■なぜ課題の分離が必要なのか?

・我々は、それぞれに自分自身の言動を自分で決定する自由が備わっていると自覚する必要がある。なぜなら、その自覚無しでは、自己受容も他者信頼もできないから。

・そして、互いの課題に介入しあうと、互いに自由の実感を得る機会が損なうことになる。

■分離を行う際の判断軸

判断軸は「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのはだれか」

■自己受容、他者信頼へのつながり

・自己受容:他者からの承認(他者の課題)とは無関係に、自分を受け入れれられるか

・他社信頼:相手が自分の希望通りに動いてくれなかったとしても、なお信じることができるか

まとめ

 長いな。普通に読み直した方が早いかも。後でもっと簡潔にまとめ直すかな。